ハワイは、誰でも気軽に遊びに行けるという「観光地」としての広い間口を持ちながら、古い伝統や文化を大切に伝え続けているという奥深い面も併せ持っています。そして移民などの歴史を通して外界からの影響を吸収し、独自の文化で今も発展し続けるハワイ。今回はそんなハワイのルーツを探る特集です。ハワイが辿ってきた歴史を知る事でハワイの本当の魅力を感じる事ができるのではないでしょうか。
<500万年前>
ハワイ諸島の誕生
現在、8つの大きな島と、130近くの小島や岩礁からなるハワイ州。噴火はプレートの弱い部分がホットスポットの上を通過する際に起こるため、島は西から東の順に生まれたと考えられます。その為、8島の中で「カウアイ島」の歴史が最も古く、約500万年前に誕生したと言われ、噴火は徐々に東へと移り、約10万年前、東端のビッグ・アイランド(ハワイ島)が生まれました。活火山としての規模は世界最大のキラウエア火山では現在でも地殻活動が続いていて、噴火と小休止を絶えず繰り返しています。このエリアを含むハワイ火山国立公園は1987年に世界自然遺産に登録されました。
<紀元500~700年>
ポリネシア人上陸
紀元500~700年の時代、マルケサス諸島からやってきたポリネシア人が無人島だったハワイ諸島の最初の上陸者と伝えられています。その後、紀元1100年頃にタヒチ人がたくさん移住し、各島に分散したと言われています。タヒチからハワイまでは約4000キロ。当時のポリネシア人たちはスターナビゲーションと呼ばれる星の位置を基準にした航海術や食料の保存備蓄術など、卓越した航海技術を持ち、小さなカヌーに乗り込んで海を渡ってきたと伝えられています。その後、各島に分散したタヒチ人は神殿や灌漑施設、養魚池などを作り、生活の基盤を整備しました。次第に、タロイモやココナッツ、サトウキビなど色々な食物や家畜も持ち込まれ、定着していきました。
神々時代
この時代のハワイでは、古代のアジア諸国のように、自然など全てのものに神が宿るという考えが浸透していました。創造の神「カネ」、戦の神である「クー」、豊穣と収穫の神「ロノ」、海洋や暗闇を司る神「カナロア」の四大神をはじめ、全ての神が信仰の対象となり、人々は神に祈りや踊りを捧げることで、その霊力を生活の中に取り込もうと考えられていました。神の恵みとして食物をいただき、全ては神の宿る大地に再び返すことで、また恵みを得られるという考え方が、古代ハワイアンの思想なのです。
<18世紀>
キャプテン・クック来航
数百年もの間、外界との接触が途絶えていたハワイに、初めて足を踏み入れたのが英国出身の探検家、ジェームズ・クックでした。1779年2度目の渡航でビッグアイランドに上陸しましたクックは手厚く歓迎されますが、後に島民との間に争いが起こり殺害されてしまいます。このような争いをきっかけに西欧から鉄や火薬を使った武器などの文明が伝来し、天然痘、はしかなど疫病の蔓延による人口の減少など、その後のハワイに大きな影響をもたらす事態へと発展していきます。そして西欧文明と共に宣教師も多くやって来て、宗教や英語を広めていきます。
<19世紀>
ハワイ王朝
当時は数多くの首長が各地に存在し、権力争いを繰り返しながら分割統治をしていました。しかし1775年にビッグアイランド出身のカメハメハが全島統一へと乗りだし、1810年、ハワイを統一し、「ハワイ王朝」が誕生しました。カメハメハ大王はサトウキビや白檀の輸出など、外国との交流を積極的に試みました。日本人や中国人がハワイに開拓移民として住むようになったのもこの頃で、サトウキビ・プランテーションで働く労働力として、1850年代以降、ハワイは多くの外国人を移民として受け入れることにしました。これにより、ハワイはさまざまな人種・民族が入り交じった複雑な国家を形成していくことになります。それに伴い生活文化においては、外界から得たものとハワイ古来のものを融合させ、独自の文化を作り上げていきました。
<20世紀>
アメリカとしてのハワイ
1世紀ほど続いたハワイ王朝が終焉を向かえた後の1898年、ハワイはアメリカに併合され、1959年にアメリカ合衆国50番目の州となりました。アメリカの軍需景気やハリウッドで観光地として取り上げられたりと、ハワイは次第に人々の注目を集めるようになりました。それに伴い、産業の中心も農業から観光へと変わって行き、世界に名立たる「リゾート・アイランド」として発展を遂げ、現在に至っています。
ハワイは単なるリゾート地としてではなく、独自の文化や伝統を持つ類稀な島としても魅力がある事がハワイのルーツを振り返る事で見えてくると思います。アメリカという大国の中にありながらも、文化や伝統の継承を通して、彼ら本来のアイデンティティを取り戻そうというハワイの人達の熱い想いに溢れた島、それがハワイなのです。

<火山>
ビッグ・アイランドの東にある海底火山「ロイヒ」の活動も活発で、将来、噴出した溶岩が陸地として海面に現れ、新しい島を形成するとも考えられています。

<ペトログリフ>
ペトログリフは文字の文化を持たなかった古代ハワイアンが残した絵文字です。石の上に人々の暮らしが絵で表現されています。

<キャプテン・クック>
ビッグ・アイランドの西海岸、クック船長が寄港したと言われるコナ・コースト。キャプテン・クック記念碑が建てられています。

<リリウオカラニ>
リリウオカラニはハワイ王国最後の女王です。幽閉中にハワイ王国の事を想い「アロハ・オエ」をつくったとうのは有名なお話です。











